2008.08.15

理想の男性用かつら

 7月19日にお会いして、男性用かつらをご注文いただきましたが、本日お取付しました。
 今年一番の猛暑の中の、ご来社ですが、暑いからこそ一日も早く、今の「全頭用かつら」から、涼しく軽い「部分用かつら」に取り換えたかったとおっしゃっていました。
 天頂部だけ髪が薄く、側頭部や後頭部にはしっかり髪はあるのですから、最初からこの方に「全頭用かつら」は必要ではなかったのです。
 ご使用していた「かつら」の髪の色が赤くなったので、黒く染めてもらったそうですが、およそ自然な黒色の髪ではありません。
 これは酸化染料の毛染め剤を使用して染めたからです。
 酸化染料は、酸性染料に比べ、色落ちがあまりありませんが、タール系色素で、主に地毛の白髪染めに使っています。
 しかし白髪がしっかり染まる反面、かぶれたり発がん性があるとも指摘されています。
 髪はタンパク質でできています。毛皮質内はケラチンというタンパク質でできています。このケラチンは、水分を吸えば膨潤して軟らかくなり、乾燥すれば硬くなる性質を持っています。
 酸化染料で毛染めしますと、このケラチンタンパクは破壊されて、二度と髪の柔軟性は取り戻せません。
 バサバサのギシギシした毛質は、たとえ人毛であろうとも自然な毛髪ではなくなります。トリートメントをしても、もう元には戻りません。
 「かつらの髪」に酸化染料は決してしてはいけません。
「部分かつら」に取り換えて、頭も軽くなり、蒸れず、違和感も取れ、これから汗をかいてもすぐに頭を拭けるからと、とても喜んでお帰りになりました。
 ご予算は15万円でしたが、予想以上の出来栄えに、心から納得していただけました。
 こうして喜んでいただくことが、私のやりがいであり、生きがいです。