2010.07.30

副腎皮質ホルモンと脱毛症 ③

副腎皮質ホルモンと脱毛症 


医 原 病


医学の進歩と医原病


医学の進歩に伴って種々の強力な薬剤や医療技術が開発され、これが日常の医療に取り入れられるようになっています。


理想的な薬や医療技術は、患者の病状に合わせて、具合の悪い部分だけを治し、それ以外の部分には何の障害も起こさないものでしようが、このような理想的な薬や技術はほとんどありません。


近年用いられる強力な薬剤には、効果はいちじるしいが、望ましくない副作用も起こりうるというというものがあります。


不幸にして、薬剤や医療処置が原因となって慢性の機能障害を起こした場合、これを医原病と呼んでいます。


長年にわたり脱毛症のご相談をしていますと、急性の脱毛症の場合、ほとんどの人が皮膚科に行きますが、決まって副腎皮質ホルモン剤の軟膏や飲み薬を処方してもらっています。


医学書には、原因が分からなくてもとりあえず副腎皮質ホルモン剤を処方すると書いてありますが、しかし副腎皮質ホルモン剤は長期にわたって使用するべきではありません。


発毛や育毛の結果は、例え正しい処置をしたとしてもすぐに発毛してきません。


毛髪の伸びる速度は、一日に0.3㎜から0.4㎜です。


何らかの異常によって抜けた場合、正しい育毛や発毛処置ができたとしても、毛根がもう一度正常な状態になるには、早くても一ヶ月以上は掛かるものです。


処置が間違っていれば、当然、発毛してきません。その間、副腎皮質ホルモン剤が身体に蓄積されてしまいます。


副腎皮質ホルモン剤は、成長ホルモンの分泌を阻害します。ですから、小児に使用した場合、成長を阻害して身長が伸びなかったり身体が成長しません。


3ヶ月以上使用を続けると、カルシウム欠乏を起こして骨粗鬆症になります。とても危険なものなのです。


カルシウムは神経伝達物質としても、身体にとって大変に重要なものです。


今、副腎皮質ホルモン剤が安易に使用されていますが、これが医原病になっていることに気をつけて下さい。


副腎皮質ホルモン剤は、脱毛症の治療に何の効果もないと思います。百害あって一利なしと、私は思います。




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http://worldscience.co.jp                やってはいけない育毛・発毛法


「読売新聞」 マイベストプロ東京 コラム掲載
http://pro.mbp-tokyo.com/hair-worldscience